(聞き手:大石 基之=日経エレクトロニクス編集長) 問 2016年8月にCEOに就任されました。Cypress社をより強い企業にするために、どのような基本戦略を掲げておられるか、お聞きします。
El-Khoury氏 基本戦略は大きく2つあります。1つは、成長する市場に注力することです。具体的には、車載、産業、民生の用途における成長市場を狙います。例えば、車載用途では、インスツルメントクラスター、ダッシュボード、ボディー、ADAS、コネクティビティーといった領域です。これらの領域で、競合他社よりも、そしてマーケットの平均成長率よりも速く成長していきたい。現時点での我々の売上高を用途別に見ると、車載と産業用途を合わせて約53%、これに民生用途を加えると全体の約75%になります。
基本戦略のもう1つは、製品(プロダクト)とともに、顧客の課題解決に向けたソリューションに、より力を入れていきたいということです。我々が持っているさまざまな製品群、例えばマイコン、メモリー、電源IC、PSoC(Programmable System-on-Chip)を、顧客のニーズに応じて最適に組み合わせて提供する方向を追求していきます。こうしたソリューション提供力を高める上で、さまざまな製品群が統合してうまく動くようにするためには、ソフトウエアの重要性がますます高まります。そこで我々は、今後、ソフトウエアへの投資を積極的に行う方針です。