日本HP社長執行役員の岡隆史氏
日本HP社長執行役員の岡隆史氏
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 「ほかのITベンダーは日本の市場が厳しい時は海外展開できる。だが、我々は親会社との取り決めで日本でしか事業をやっちゃいけない。正直、我々が日本のお客さんのことを一番考えているのではないか」――。日本HP社長執行役員の岡隆史氏は2017年1月13日、報道関係者向けの事業説明会に登壇、PC市場の動向などを解説した。

 日本HPは米Hewlett-Packard社の日本法人である日本ヒューレット・パッカードからPC・プリンティング事業を継承して、2015年8月に設立された。親会社である米Hewlett-Packard社はエンタープライズ事業を担当するHewlett Packard Enterprise社とPC・プリンティング事業を担当する米HP Inc.に分社しており、日本HPはHP Inc.の日本法人となる。

 岡氏は2016年について「外から見えること、見えないことの両方で、たくさんの変化を続けてきた」と振り返る。分社前の日本ヒューレット・パッカードは大型のソリューションビジネスを手掛けるエンタープライズ事業の社員が全体の8割を占めており、ITインフラや従業員の評価制度などはそれに合わせて設計されていた。だが、PCやプリンティング分野は製品のライフサイクルが短く、新製品を次々と投入していかなければならない。そこで、分社後の日本HPでは「PCとプリンティングに最適化できるように、社内規定やITインフラをスクラッチで作り直したり、調整を加えたりしてきた」(岡氏)。

 2016年8月には製造と物流の拠点となる「日本HP 東京ファクトリー&ロジスティックス」を東京都日野市に開設。生産能力を強化するとともに、複数個所に分散していた倉庫を1カ所にまとめることで「モノを作ったら即座に出荷できる体制を整えた」(岡氏)。