アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ開発基金(ADFD)と国際再生可能エネルギー機関(IRENA)は1月13日、モーリシャスとルワンダの太陽光発電プロジェクト2件に対してADFDが総額2500万ドルの無利子融資を承認したと発表した。

 1月13~14日にアブダビで開催されたIRENAの第8回総会で発表されたもの(図)。

図●IRENA第8回総会でモーリシャスとルワンダへの無利子融資を発表したADFDのH.E. Mohammed Saif Al Suwaidi事務局長
図●IRENA第8回総会でモーリシャスとルワンダへの無利子融資を発表したADFDのH.E. Mohammed Saif Al Suwaidi事務局長
(撮影:日経BP総研 クリーンテック研究所)
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 モーリシャスでは1000万ドルを融資し、同国の中央電気委員会(CEB)が1万戸の住宅の屋根上に合計10MW分の太陽光発電システムを設置するプロジェクトを支援する。

 同プロジェクトはモーリシャスが2025年までに電源構成の35%を再生可能エネルギーで賄う目標の達成に寄与すると共に、貧困を緩和する政府の取り組みの一環となる。低所得地域の3万5000人が電気料金を大幅に節約できるという。

 プロジェクト期間の節約の効果は、輸入される化石燃料に換算すると3500万ドル以上と見込まれ、モーリシャスのエネルギー安全保障も向上するとしている。

 一方、ルワンダでは1500万ドルを融資し、同国全域で50万戸の住宅にオフグリッドの太陽光発電システムを設置するプロジェクトを支援する。同プロジェクトにより、照明やラジオなどの機器、携帯電話の充電などのためにクリーンな電力を供給するという。

 同プロジェクトは政府による地方の電化戦略の一環であり、金融機関や交通インフラが未整備な貧困地域で不可欠な、柔軟性の高い携帯電話による支払いのプラットフォームを活用する。未電化の遠隔地などの250万人に対する電力供給が改善され、2000人以上の雇用創出効果も見込んでいる。