e お薬さんの前面
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 エーザイは2017年1月12日、薬の飲み忘れや過量服薬の防止をサポートする服薬支援機器「e お薬さん」を発売した(pdf形式のニュースリリース)。薬局や医療機関、介護施設などに向けて販売する。

 e お薬さんは、あらかじめセットした時刻になると機器前方から自動で薬ケースが押し出され、音声と画面表示で服薬を促す。服薬時刻は朝、昼、夕、就寝前と1日最大4回の設定が可能。音声は登録済みの4種類または録音した独自の声を利用できる。画面には20文字以内のメッセージを送信でき、患者とのコミュニケーションに使える。

 指定時刻に薬ケースを取り忘れた場合には、スヌーズ機能が働いて5分に1度の頻度で音声で知らせるほか、指定時刻から40分が経過すると薬ケースを回収する。また、次回の指定時刻までは原則として薬ケースの取り出しができないため、過量服薬を防げる。

 見守り支援機能も備えており、患者の家族や薬剤師、看護師、介護従事者などが服薬タイミングでメールを受信できる。電子メールアドレスは最大5アドレスまで登録可能。専用クラウドシステムに服薬履歴を最大1年間保管し、1カ月単位の折れ線グラフや一覧表で確認できるなど、離れた場所からでも服薬状況や生活リズムを把握できる。使用には有線LANまたは無線LAN(別売りキットを用意)環境が必要。

 エーザイは本機器の販売に先立ち、全国約100カ所の薬局や医療機関、介護施設の協力の下、在宅医療現場や施設で実証実験を行った。その結果、服薬率の向上や過量服薬の防止への効果が見られ、見守り支援機能を活用して生活リズムの乱れを発見し、医療機関への受診につながった例もあったという。