太陽光発電設備の遠隔出力制御などに関する実証試験のイメージ 
太陽光発電設備の遠隔出力制御などに関する実証試験のイメージ 
(出所:関西電力)
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早稲田大学EMS新宿実証センターと太陽光発電所を結ぶ
早稲田大学EMS新宿実証センターと太陽光発電所を結ぶ
 (出所:関西電力)
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 関西電力は1月8日、太陽光発電設備の遠隔出力制御と発電量の把握に関する実証試験を開始すると発表した。これは、経済産業省による「再生可能エネルギー接続保留緊急対応補助事業」に採択されたもの。

 太陽光発電は、今後一層の導入拡大が見込まれる。関電では、現時点で太陽光の出力抑制が必要な状況ではないが、将来的に必要となる可能性がある。現在、火力発電の出力を抑制してもなお、電気の供給量が需要量を上回ることが予想される場合、再エネ発電事業者に翌日分の出力制御を指示することになっている。抑制する電力量は前日の発電量予測などを元に算出するため、必要以上の出力抑制を指示する場合がある。

 そこで今回の実証事業では、双方向通信システムを導入し、太陽光発電設備の出力をリアルタイムで把握することに加え、出力を抑制する量や時間をきめ細かく遠隔で指令することにより、本来抑制する必要のない電力量をできるだけ少なくすることを目指す。

 具体的には、早稲田大学EMS新宿実証センターに設置した出力制御指令を発信するサーバーと、堺太陽光発電所、若狭おおい・若狭高浜太陽光発電所など関電が保有する6カ所の太陽光発電設備を双方向通信で結び、2月中旬まで、出力制御の実証試験を行う予定。

 実証事業を通じて、日本における再エネの最大利用のため、国内での出力制御方式の標準化に向け、通信方式の有効性や信頼性を評価し、今後、その実証成果を、国内外での普及にもつなげる。