「FIT電気」3割を見込む

 顧客は、太陽光を無償で設置して自家消費でき、電気代も割安になるという。10年後には太陽光設備の所有権は顧客に譲渡される。また、系統電力が停電した場合、停電時のモードに切り替えることで、太陽光の発電電力を非常用コンセントから利用できる。

  「第3者保有モデル」は米国で先行し、住宅太陽光が普及する原動力となった経緯がある。日本でも、普及の進まない既築住宅への太陽光設置のスキームとして期待されており、複数の企業が同モデルを応用したビジネスモデルを公表している。

 横浜環境デザインでは、「ヨコハマのでんき」の電源構成に占めるFIT電気の比率は、3割程度と見込んでおり、それ以外は、JPEX(電力卸市場)と常時バックアップで賄う。

 高圧需要家を含めて、再エネ利用やソーラーシェリングの普及に関心の高い顧客を中心に開拓し、10万棟に電力供給することを目指している。

FIT電気・3割、顧客10万棟を目指す
FIT電気・3割、顧客10万棟を目指す
(出所:横浜環境デザイン)
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 横浜環境デザインは、住宅用・産業用太陽光発電のEPC(設計・調達・施工)、O&M(運営・保守)サービスを手掛けてきた。ソーラーシェリングと連携した電力小売りへの参入によって、地域社会を支援する独自の電力メニューを打ち出すとともに、FIT後を睨んだビジネス展開を強化し、事業収益を多様化する狙いがある。

ソーラーシェアリングと第3者保有モデルで地域資源の循環を応援
ソーラーシェアリングと第3者保有モデルで地域資源の循環を応援
(出所:横浜環境デザイン)
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