太陽光パネル大手のカナディアン・ソーラーは1月9日、フランスのPhotowatt社、ECM Greentech社と提携し、同国でシリコン塊(インゴット)とウエハーの製造を行う合弁企業を設立する計画を発表した。

 Photowatt社はフランスの政府系大手電力事業者であるEDFの再生可能エネルギー事業会社EDF Energies Nouvells(EDF EN)社の子会社で、太陽光パネルの開発や製造を手掛けている。ECM Greentech社は結晶シリコンの製造装置やプロセス技術の開発や関連事業で実績がある。

 3社が合弁で設立する新会社は、温室効果ガスの排出を抑制できる先端的な製造工程を採用し、フランス国内でインゴットとウエハーを生産する。出資比率は、Photowatt(EDF EN)社が60%、カナディアン・ソーラーが30%、ECM Greentech社が10%。資本金の額は未公表。

 3社とも単結晶シリコンの技術に先駆的に取り組んでいることから、今回設立を計画している合弁会社でも高性能な単結晶シリコン型太陽光パネルを多結晶シリコン型のコストで提供する狙いがあるとみられる。

 EDFグループは、設備容量の合計で30GWの太陽光発電所を2020~2035年の15年間でフランス国内に建設する計画を持つ(関連記事1)。

 一方、カナディアン・ソーラーは、米トランプ大統領が輸入パネルに対して保護主義的な政策を打ち出した場合に米国の市場が縮小する懸念がある(関連記事2)(関連記事3)。

 合弁会社設立の背景には、高効率の太陽光パネルを低コストで大量に調達したいEDFの調達戦略のほか、米国市場が縮小した場合に備え、次の有望市場に布石を打っておきたいカナディアン・ソーラーの思惑もありそうだ。