デジタルヘルスベンチャーのFiNCは、ヘルスケア分野における15件の人工知能(AI)関連特許を取得したことを発表した。今回取得を発表した特許の中で、特に基本となるのは「特許第6010719号 パーソナライズ健康アドバイスAI」特許だという。ユーザーからの質問を分析し、そのユーザーの特徴に応じてパーソナライズされたアドバイスを提供するというものである。

 従来技術では、ユーザーの属性が同じ場合は同じ回答を返してしまう画一的なもので、ユーザーの生活習慣や趣味嗜好の違いを考慮した回答ができなかったが、それを解消できるとしている。例えば、「30歳・女性・会社員」という属性に加えて、「運動をよくする」「野菜が苦手」などのライフスタイルやライフログに基づいて適切にリコメンドし、ユーザーにあったアドバイスができるという。

FiNCアプリにおける「特許第6010719号 パーソナライズ健康アドバイスAI」のイメージ画像
FiNCアプリにおける「特許第6010719号 パーソナライズ健康アドバイスAI」のイメージ画像
[画像のクリックで拡大表示]

 この他に取得した特許としては、「専門家と専門家のアシスタントとしてAIが同チャット内でユーザーに健康管理のアドバイスを行なう特許(特許6209667号)」や「投稿された食事情報から栄養情報を分析し、ユーザーにパーソナライズされたアドバイスを行う特許(特許第6075905号)」などがある。

写真2枚撮るだけで姿勢を分析

 さらに今回、取得した特許を活用した「姿勢分析機能」と「睡眠自動記録機能」を開発したことも同時に発表した。

 姿勢分析機能は、自身の写真を2枚(正面/横)撮るだけで人工知能が姿勢を分析する機能。分析結果に合わせて、ユーザーに最適なストレッチやフィットネスなどの動画コンテンツを提案するなど、改善のためのアドバイスを受けられる。FiNCアプリ内の有料サービス「FiNCプレミアム」「FiNCプラス」「FiNCプロ」で利用可能である。

 睡眠自動記録機能は、歩数や過去の睡眠記録から睡眠時間を予測し、睡眠を自動で記録してくれる機能。FiNCアプリをインストールしたスマートフォンを持っているだけで、歩数とともに睡眠も自動で記録される。姿勢の悪化や睡眠時間の減少は、生活習慣病などを引き起こす要因にもなりえることから、健康管理や疾患予防に役立つとしている。

姿勢分析機能(左2つ)と睡眠自動記録機能(右2つ)のイメージ画像
姿勢分析機能(左2つ)と睡眠自動記録機能(右2つ)のイメージ画像
[画像のクリックで拡大表示]