報道陣からの質問に答える綱川氏
報道陣からの質問に答える綱川氏
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 東芝 代表執行役副社長の綱川智氏は2016年1月8日、放射線医学総合研究所(放医研)と共同開発した「重粒子線回転ガントリー」の完成発表会において、報道陣の囲み取材に応じた(関連記事1)。この中で、同社のヘルスケア事業の中核を担ってきた医療機器子会社、東芝メディカルシステムズの売却スケジュールに言及した(同2同3)。「1月中旬にビッド(入札)プロセスを予定している」(綱川氏)という。

 売却先選定に当たり優先する条件については「頭にない。(具体的な買収条件に関する)話を受けてから検討したい」とした。売却先が国内企業か海外企業かについては「個人としてはこだわりがあるが、まったくの白紙」。保有株式の何%を売却するかについても「今はなんともいえない。(入札・交渉の)状況次第で判断する」と述べるにとどめた。

 かつて社長も務めた東芝メディカルシステムズの売却への思いを問われた同氏は「これまで、医療を通して社会に貢献しようという誇りを持って取り組んできた。(親)会社が変わっても引き続き医療に貢献したいと考えており、その思いを共有できる企業とパートナーを組みたい」と話した。同日に新技術の完成を発表した重粒子線治療装置については「東芝本体で、責任を持って事業を続けていく」。