多摩川ホールディングスの建設したメガソーラー 
多摩川ホールディングスの建設したメガソーラー 
(出所:多摩川ホールディングス)
[画像のクリックで拡大表示]

 多摩川ホールディングスは1月4日、「水素電力事業準備室」(仮称)を新設すると発表した。同社は、環境事業の一環として、太陽光発電と地熱発電を中心に再生可能エネルギー事業を手掛けている。再エネの余剰電力を水素として貯蔵することで、環境事業の新たな可能性を模索する。

 2016年1月4日に開催した取締役会で、同室の新設を決議した。同社は、再エネの増加に伴い、電力貯蔵システムの需要が高まると見ており、大きな潜在力を有している「水素電力貯蔵システム」について調査・検討し、今後の新事業につなげる。

 「水素電力貯蔵システム」とは、再エネの出力が変動して余剰電力が生じた場合、この余剰電力により水電解を行って水素を製造・貯蔵し、必要なときに燃料電池で発電する仕組み。通常の蓄電池は、時間の経過と共に自然放電するのに対し、水素の場合、タンクに貯蔵して長期間、貯蔵し、各地に輸送できるなどの利点がある。

 同社は2015年12月にベトナム企業と再エネ事業などの展開に関して相互協力することで合意。また、2016年1月4日、青森県三沢市に建設予定の合計約10MWの太陽光発電所に関し、東北電力から連系の承諾を得たと公表した。