新認定制度によって事業実施中の点検保守が求められる
新認定制度によって事業実施中の点検保守が求められる
(出所:経済産業省・電力安全小委員会・2016年7月)
[画像のクリックで拡大表示]

 日本電機工業会(JEMA)と太陽光発電協会(JPEA)は12月28日、「太陽光発電システム保守点検ガイドライン」を公表した。IEC(国際電気標準会議)規格を元にした技術資料で、1500V以下の太陽光発電システムが対象となる。

 経済産業省は、2017年4月に施行する新認定制度の中で、事業実施中の太陽光発電所の適切な保守点検を促すことを掲げた。制度を効率的に運用するため、民間の策定する保守点検ガイドラインを参照し、実際の保守点検作業を民間機関が担うことなどが検討されている。今回のガイドラインはそれを踏まえたもの。将来のJIS(日本工業規格)化も念頭にある。

 これまでに公表された民間による太陽光向け保守点検ガイドラインとしては、JEMAの「小出力太陽光発電システムの保守・点検ガイドライン」、JPEAの「太陽光発電システム保守点検ガイドライン【10kW以上の一般用電気工作物】」「太陽光発電システム保守点検ガイドライン【住宅用】」があった。

 今回のガイドラインは、IEC規格を元にしつつ、これら3文書の内容を参考に追記・修正、参考資料として掲載した。今後、変更内容に関しては、IECに規格改定を提案するとしている。従来の3つのガイドラインが、項目ごとに点検要領を平易に解説し、一般の設置者などにも比較的、わかりやすくなっているのに対し、今回の文書は規格の形式で、専門家を対象にした内容(技術資料)になっている。

 太陽光設備の保守点検に関するIECの規格(IEC62446-2)は、2016年9月に委員長原案(CD)が発行された段階のため、今後、正式に発行した時点で、今回のガイドラインに反映し最新版に改定するとしている。