第2次保証金の没収を恐れる?

 この結果、最終的に残った落札者は、HINA、カナディアン・ソーラー・ プロジェクト、ロイヤルリース、新日邦の4件・約41MWに留まった。募集枠の500MWに対し、1割にも満たなかった(図2)。

図2●第1回入札の落札案件の分布
図2●第1回入札の落札案件の分布
(出所:経産省)
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 2次保証金を納付しなかった理由は、2018年3月5日の認定取得期限までに電力会社との接続契約を締結できない場合、第2次保証金を没収されるリスクを恐れたためと見られる。

 保証金の金額は、第1次保証金で500円/kW、第2次保証金は5000円/kWとなる。とりわけ第2次保証金の負担は重く、10MWの案件で5000万円、30MWなら1億5000万円にもなる。入札手続きと並行して進めている電力会社との接続契約の進捗が遅れ、3月5日に間に合わなければ、全額を没収される。

 今回、第2次保証金を納付しなかった5案件の事業者は、第1次保証金を納付して入札には参加したことから、3月5日の接続契約締結の期限に向け、ギリギリの交渉を続けながら、最終的に落札者の地位を放棄したと見られる。第1次保証金を没収されても、より高額な第2次保証金の没収リスクを回避する苦渋の選択だった可能性がある。

 経産省は、こうした入札制度の課題に対処するため、12月27日に開催した調達価格等算定委員会(FIT算定委)で、入札制度の改善案を提示した。それによると、保証金の金額自体は変えず、第2次保証金の没収事由を緩和する3つの変更案を示した。