堅調なメガソーラーの設備市場
ただ、ここ数年の設備市場の規模を容量別で見てみると、メガソーラー(大規模太陽光発電所)は相対的に堅調で、市場の縮小が顕著なのは住宅用とミドルサイズであることが分かる(図3)。
JPEAの出荷統計は、住宅用(10kW未満)、ミドルサイズ(10kW以上500kW未満)、500kW以上のメガソーラーの3カテゴリーに分けて公表している。
ミドルサイズのなかで最も導入量が多い容量クラスは、連系出力50kW未満の事業用低圧案件になる。ミドルサイズの市場が縮小傾向なのは、事業用低圧案件の導入量が減っているからと推測できる。住宅用と事業用低圧案件については、2014年の九電ショックを機に新規件数が減少した。ただ、住宅用に関しては、2016年以降、縮小傾向に歯止めがかかっている。
「新築向け太陽光については、多くのハウスメーカーが標準搭載しつつあり堅調に推移しているが、既築住宅への設置が2012~14年の水準に戻らない」との太陽光設置事業者の声が多い。新築住宅が、住宅太陽光の需要を下支えしている。
経産省の公表する導入量の推移を見ても、こうした傾向になっている。経産省のデータは住宅用と非住宅用の区分しか公表していないので、非住宅用全体が事業用低圧案件の落ち込みに引きずられて減少傾向になっている(図4)(図5)