仏Colas社が手がける太陽光発電道路「WattWay」
仏Colas社が手がける太陽光発電道路「WattWay」
(出所: Colas)
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 フランスのColas社は12月22日、太陽光で発電する道路「ワットウェイ(Wattway)」を北部のノルマンディー地方で稼働したと発表した。記念式典には、セゴレーヌ・ロワイヤル環境・エネルギー・海洋相や地元自治体の首長なども出席した。

 今回稼働したワットウェイは実証サイトで、太陽光パネル2880枚をD5号線のトゥルーヴル(Tourouvre)南側出口とル・ゲ・ア・ポン(Le Gué-à-Pont)地区のN12号線との交差点の間の約1kmに設置した。

 ワットウェイにより、年間280MWhの発電量を見込む。日々の発電量は天候や季節によって変動するが、平均で767kWh/日、夏季のピーク時には1500kWh/日に達すると予想している。

 ワットウェイの近辺には情報掲示板が設置され、リアルタイムの発電量や設置時点からの累積発電量などを表示する。この掲示板の電力もワットウェイにより賄うとしている。

 Colas社は地元・フランスだけでなく、グローバルにワットウェイの事業を展開している。ノルマンディーが稼働を開始する2日前の12月20日には、米ジョージア州でもワットウェイの実証サイトが初めて稼働を開始したと発表している。

 同州アトランタとアラバマ州モンゴメリー(Montgomery)を結ぶ州間高速道路85号線の16マイル(約25.75km)が、ワットウェイによる実証プロジェクトで使用される見込み。当初は、ウェストポイント(West Point)のジョージア州ビジター情報センターに50m2の太陽光パネルが設置されたという。年間の平均発電量は7000kWhと見込まれている。

 太陽光パネルを道路に埋め込んで発電するという試みは、近年欧米の何カ所かで進められている(関連記事)。太陽光パネルを水平に設置する場合、南向き30度に傾けて設置する場合と比較すると発電効率は約12%落ちる。それでも交通量があまり多くない道路スペースの有効活用による創エネといった意義があり、地域により注目されているようだ。