毛髪の根元構造もくっきり!MRIで脱毛を“見える化”

2016/01/04 13:20
宇野 麻由子=日経テクノロジーオンライン

 男性型脱毛症(AGA)専門外来などを設けるメンズヘルスクリニック東京(東京都千代田区)は、超高分解能頭皮MRIを用いて男性型脱毛症の画像診断を行う技術を開発した。わずかな毛量の増減を観察することができ、剃毛せずに毛髪本数や太さを半自動で解析し評価することが可能となる。従来の写真撮影ではわずかな毛量の増減を評価するのは難しく、また本数や太さの解析には剃毛が必要で、実施できるのは小さな部分に限られていた。

 脳腫瘍などを調べるMRIの場合、見られる病変の大きさは2~3mm程度。今回開発した超高分解能頭皮MRIは、防衛医科大学校放射線医学講座の曽我茂義氏との共同研究により15倍ほど分解能を高めた。200~300μmの毛包(毛髪の根元部分の構造)を明瞭に画像化できるとする。分解能を高めるための工夫については明らかにしていないが、MRI本体は磁場強度3T(テスラ)の一般的なものを使用するとする。東京電機大学理工学部電子・機械工学系助教の荒船龍彦氏との共同研究により、MRI画像データから毛髪本数と太さを半自動で解析する独自アルゴリズムを開発した。

 今後、実験者数を増やし、解析アルゴリズムの精度を上げるなどして、2017年度の客観的評価用としての実用化を目指すとする。実用化された場合は自由診療となるが、費用は未定*。

* 現在、脳ドッグ(頭部MRI)は3万円ほどかかるのが一般的。

 男性型脱毛症は、薬物治療により進行を遅らせたり回復させたりすることができるとされる。こうした治療を進める上では、毛髪本数や太さの評価が必要となる。従来、一般の治療では剃毛による客観的評価はあまり現実的ではなく、主観的な評価では医師と患者で見解が分かれるといった課題があった。今回開発した技術は治療の評価に使えるほか、MRI画像データを蓄積し、将来的には男性型脱毛症の進行予測や治療効果の予測などにも応用していきたいとする。

超高分解能MRIによる頭皮画像。メンズヘルスクリニック東京のプレスリリースより。
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