パワコンの大容量化と1500V化への移行が焦点

 また、技術的には、買取価格の低下に伴い、直流1000V仕様、パワーコンディショナー(PCS)の大容量化、72セルによる高出力パネルの採用などがさらに進みそうだ。

 直流1000V仕様は、新規の特別高圧案件では一般的になっているが、2MW未満の高圧案件でも採用例が増えてきた。国内の接続箱メーカーの1000V対応品も増えてきたため、従来の600V仕様と同様、「逆流防止ダイオード」を組み込む回路設計と、欧米メーカー製の接続箱を採用し、IEC(国際電気標準会議)に準拠したヒューズを組み込む回路設計が混在している状況だ。

 次の焦点は、直流1500Vへの本格的な移行がいつになるか。米国では、ゼネラル・エレクトリック(GE)とファーストソーラーなど、PCSとパネル大手メーカーが主導して2016年から1500V仕様のメガソーラーの建設が増えそうだ。主要なパネルメーカーが1500V対応品を出し始めた場合、国内でも1500V仕様への取り組みが出てくる可能性もある。

 PCSの大型化では、シェアトップの東芝三菱電機産業システム(TMEIC)が、国内にも1000kW(1MW)機を投入したこともあり、移行が加速しそうだ。2MWのサイトの場合、500kW機4台の構成が1MW機2台の構成で済み、設置コストが下る。逆に、数十kWの小型PCSを多数台、設置する方式も導入例が出てきたが、不具合のリスクが高まることもあり、大きな流れにはなっていない。