実証事業のイメージ 
実証事業のイメージ 
(出所:北海道電力)
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蓄電池建屋内の電解液タンク 
蓄電池建屋内の電解液タンク 
(出所:北海道電力)
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 北海道電力と住友電気工業は12月25日、安平町にある南早来変電所に建設していた大型蓄電池システムが完成し、実証試験を始めたと発表した。設置したのは、住友電工製のレドックスフロー蓄電池。定格出力15MW、容量60MWhとなり、レドックスフロー蓄電池の運用例としては、世界最大級の規模となる。

 両社は共同して、今後3年程度の実証期間で、風力や太陽光発電の出力変動に対する新たな調整力としての性能実証、および最適な制御技術の開発などに取り組む。

 主な実証項目は以下となる。(1)太陽光・風力の秒単位の急峻な出力変動に対応して充放電し、周波数変動を抑える「短周期変動対策」、(2)時間単位の太陽光・風力の出力変動を予測して需給バランスを平準化する「長周期変動対策」、(3)太陽光・風力の急な出力増に火力の出力減が追い付かない場合の「下げ代対策」、(4)レドックスフロー蓄電池の性能評価、(5)大型蓄電システムの性能評価、(5)システム効率評価など――。

 今回の実証事業は、経済産業省が一般社団法人・新エネルギー導入促進協議会を通じて募集した「平成24年度大型蓄電システム緊急実証事業」に両社が共同で応募し、補助事業として採択されたもの。

 南早来変電所のある安平町には、2015年12月6日に全国有数の規模となるメガソーラー(大規模太陽光発電所)「ソフトバンク苫東安平ソーラーパーク」が稼働している。同発電所の太陽光パネルの設置容量は約111MW、連系出力79MWとなる。