米Analog Devices社は、更新速度が最大12Gサンプル/秒と高い16ビット分解能のD-A変換器IC「AD9162」を発売した。D-A変換器(DAC)コアは、2個のインターポレーターフィルター(FIR85)を備えるクアッド・スイッチ・アーキテクチャーで構成した。ダイナミックレンジと帯域幅が極めて広いため、中間周波数(IF)を介することなく、ベースバンド信号を直接、高周波(RF)信号に変換するRF DAC用途に使える。極めて広いダイナミックレンジが得られるベースバンドモードにおける帯域幅はDC(直流)〜2.5GHzと広い。これはケーブルテレビのインフラ装置に関する標準規格「DOCSIS 3.1」で求められている帯域幅である1.794GHzを約40%上回る値である。このため「4Kなどの超高精細(UHD)テレビ放送を多チャネル分、ストリーミング/ダウンロードすることが可能になる」(同社)という。具体的な用途としては、DOCSIS 3.1準拠のCMTS(Cable Modem Termination System)やVOD(Video On Demand)、EQAM(Edge Quadrature Amplitude Modulation)などのブロードバンド通信システムのほか、無線通信インフラ装置や、自動テスト装置(ATE)、レーダーなどを挙げている。
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