旭化成エレクトロニクスは、磁石の作る磁界を3次元ベクトルで捉えられる3軸磁気センサーIC「AK09970」を発売した(ニュースリリース)。ホール効果素子を利用した磁気センサーである。X軸、Y軸、Z軸の磁気信号の検出が可能だ。IPカメラや監視カメラの向きの設定や、ドアや窓の開閉検知(スマートロック)、スマートホーム/スマートハウスなどの用途を見込む。

磁界をベクトル成分で捕捉できる3軸磁気センサー
磁界をベクトル成分で捕捉できる3軸磁気センサー
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 2種類の設定モードを備える。1つは高分解能設定モード。もう1つは広測定範囲設定モードである。高分解能設定モードでは、測定範囲は3軸いずれも±36mT、測定分解能は1.1μT/LSBとなる。広測定範囲設定モードでは、X軸とY軸の測定範囲は±35mTだが、Z軸のみ±101mTに拡張できる。測定分解能は3軸いずれも3.1μT/LSBである。

 消費電力の設定モードも2種類用意した。低消費電力駆動モードと低雑音駆動モードである。低消費電力駆動モードにおける雑音は15.0μTrmsである。消費電流は更新頻度が1Hz時に0.6μA、10Hz時に2.7μAと少ない。低雑音駆動モードでの雑音は5.0μTrmsと小さい。消費電流は更新頻度が1Hz時に1.5μA、10Hz時に11.9μAである。

 測定結果の出力は、16ビット分解能のデジタル形式である。I2C/SPIインターフェースに対応する。測定データが更新されるとData Ready通知を専用レジスターにビット出力する。磁気イベント通知端子(割り込み端子)を備える。1軸につき2つのしきい値をプログラムでき、しきい値を超えるとレジスターと出力端子に磁気イベントとして通知できる。電源電圧範囲は+1.7〜3.6V。消費電流は、パワーダウンモード時の消費電流は2.0nA(標準値)。