シエル・テールのフロートを採用した、京セラTCLソーラーの水上設置型メガソーラー
シエル・テールのフロートを採用した、京セラTCLソーラーの水上設置型メガソーラー
左は兵庫県加東市の西平池にある出力約1.7MW、右は同県加西市の逆池にある出力約 2.3MW(出所:東京センチュリーリース)
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 東京センチュリーリースは12月15日、太陽光パネルや接続箱を水上に浮かべるための部材「フロート」の大手である、フランスのシエル・テール・インターナショナルの普通株式15%を取得したと発表した。同日、株式を取得した。

 シエル・テールのフロートは、フランス、英国、日本のほか、タイや韓国など、世界各国の水上設置型の太陽光発電所で多くの稼働実績がある。

 東京センチュリーリースは、京セラと共同で設立した京セラTCLソーラー(東京都千代田区)において、貯水池などの水面に太陽光パネルを浮かべる、水上設置型の太陽光発電所の開発に取り組んでいる。フロートには、当初からシエル・テールの「Hydrelio」を採用している。

 水上設置型に力を入れている理由として、土地に限りのある日本では、地上設置型の適地が少なくなっている一方、農業用のため池や、河川の増水に備えた調整池など、太陽光発電に活用できる池が多いことを挙げている。一般的に水面利用料は借地料に比べて安いといった利点もある。

 京セラTCLソーラーでは、兵庫県加東市の西平池、東平池、兵庫県加西市の逆池(「売電だけじゃない! 新・メガソーラー活用術」関連記事)の3カ所、合計出力約5.2MWの水上設置型メガソーラー(大規模太陽光発電所)を稼働済みである。また、千葉県の山倉ダムにおいて、水上設置型では世界最大級となる出力約13.7MWの開発を進めている。

 東京センチュリーリースによると、今後、京セラと共同で太陽光発電事業のグローバル展開を検討していく。その際に、水上設置型におけるシエル・テールの技術面、実績面に基づく優位性が不可欠であり、株式の取得を通じて提携関係を強化することにした。

 フロートの関連特許は、シエル・テールが所有している。最新の稼動案件である逆池のメガソーラーでは、それまでの2カ所で採用したシエル・テールが供給したフロートではなく、シエル・テールのライセンスを受け、日本企業の製造したフロートに切り替えている。株式の取得を機に、こうしたコストや品質面に関し、一層の向上に踏み込む可能性もある。