Otaeの貯水池に設置した出力3MWの水上メガソーラー
Otaeの貯水池に設置した出力3MWの水上メガソーラー
(出所:LG CNS社)
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Jipyeongの貯水池の出力3MWの水上メガソーラー
Jipyeongの貯水池の出力3MWの水上メガソーラー
Jipyeongの貯水池の出力3MWの水上メガソーラー(出所:LG CNS社)
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無線送信による電流計測システムを内蔵した接続箱
無線送信による電流計測システムを内蔵した接続箱
(出所:LG CNS社)
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太陽光パネルを池の上に浮かべるシステムを点検している様子
太陽光パネルを池の上に浮かべるシステムを点検している様子
(出所:LG CNS社)
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 韓国LG CNS社は10月26日、韓国で2ヵ所、合計出力6MWの水上のメガソーラー(大規模太陽光発電所)が完成したと発表した。

 韓国の南東部に位置する慶尚道の尚州市のOtaeとJipyeongにある貯水池に、それぞれ出力3MWの水上メガソーラーを設置した。

 土地に限りがある韓国において、小型のダムや貯水池、河川の水面を利用した太陽光発電が向くと強調している。貯水などに加えて、発電という新たな価値を付加できる。山間部への地上設置型による森林破壊も防げるとしている。

 水面への太陽光発電システムの設置によって、魚の育成に向く環境も構築できるとする。水面に注ぐ太陽光を遮断することで、藻の過剰な増殖を抑制できる。

 また、太陽光パネルの直下が水面となることで、夏などの高温時、水による冷却効果で結晶シリコン系パネルの発電効率の低下を抑制できる。これにより、出力を10~15%増加できるとしている。

 LG CNS社によると、韓国では今回の2カ所を含め、合計10カ所の水上の太陽光発電所が稼動済みである。韓国内のすべての貯水面積のうち5%を活用できれば、合計出力4170MWの水上の太陽光発電所を運用でき、原子力発電所4基を代替できる可能性があるという。

 今回の水上メガソーラーでは、発電量の監視に独自の技術を採用した。接続箱内に電流センサーを内蔵したことで、太陽光パネルから接続箱に入力される電力を、計測やデータの送信に使うことができる。従来の外付けする手法で必要だった、専用の送電ケーブルを敷く必要がない。計測したデータは無線で送信するため、専用の通信線も不要となる。こうしたシステムは、韓国内では初となるとしている。

 水上という湿度の高い環境のため、高湿環境などが影響し、太陽光パネルに高い電圧がかかり、出力が大幅に低下するPID(potential-induced degradation)現象への対策が施されたパネルを採用した上、PIDを抑制する仕組みを導入した。

 水面の水位をリアルタイムで監視するシステムも導入した。

 LG CNS社は、合計出力170MWの太陽光発電所を建設した実績があるという。日本では、広島県に出力33MWのメガソーラーを設置した。