熱伝導方式を利用したセンサーの試作品
図1◎熱伝導方式を利用したセンサーの試作品
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MEMS素子
図2◎水素を検知するMEMS素子
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 日本特殊陶業は、燃料電池車(FCV)の水素タンクや燃料電池(FC)ユニットからの水素ガスの漏れを高精度で検知できるセンサーを開発した。同センサーの試作品を、環境関連の展示会「エコプロダクツ 2015」(2015年12月10~12日、東京ビッグサイト)で公開した(図1)。

 FCVの水素ガスの漏れを検知するセンサーには現在、「触媒燃焼方式」を利用した製品がある。センサー内の白金線上に電着した酸化触媒に水素ガスが触れると、空気中の酸素と反応(触媒燃焼)して発熱する仕組みを利用したものである。燃焼による温度上昇によって、水素ガスの漏れを検知する。トヨタ自動車のFCV「ミライ」には、同方式を使った水素ガス漏れセンサーが搭載されている。

 これに対して日本特殊陶業が開発したセンサーは、水素ガスの熱伝導率の高さを利用した「熱伝導方式」を使う。具体的には、「MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)素子」を使って、水素ガスの漏れを検知する。同素子は、Si(ケイ素)基板上にマイクロヒーターや温度センサーを集積した超小型の素子である(図2)。