メガソーラーに併設した蓄電池システム。実証事業で稚内市に設置されたもの 
メガソーラーに併設した蓄電池システム。実証事業で稚内市に設置されたもの 
 (出所:日経BP社)
[画像のクリックで拡大表示]

 マンション建設・販売のフージャースホールディングス(HD)は、北海道沙流郡日高町に蓄電池システムを併設したメガソーラー(大規模太陽光発電所)を建設する。メガソーラーの出力は9000kW(9MW)、蓄電池システムの容量は3600kWh(3.6MWh)となる。すでに10月に着工しており、発電開始は、2017年3月の予定。

 発電事業を手掛けるのは、同社の連結子会社であるフージャースコーポレーション(東京都千代田)となる。

 事業用地は、日高町字庫富にある25万5318m2の遊休地で、かつて牧場として使われていた。中国インリー・グリーンエナジー製の太陽光パネル(255W品/枚)を約4万枚並べる。年間発電量は、約1200万kWhを見込み、北海道電力に売電する。10月13日に電力受給契約を結んだ。

 北海道電力は、接続申し込みが40万kWを超えた分の大型太陽光発電設備については、連系の条件として、蓄電池を併設して、急峻な出力変動を緩和することを求めている。相対的に系統規模が小さく、系統周波数への影響が大きいことが理由だ。具体的には、メガソーラー出力の変動幅を、蓄電池の充放電制御と連携した合成出力で、1分間にPCS定格出力の1%以内に収めるという指標を示している。

 フージャースホールディングスが日高町に建設するメガソーラー事業も、この条件に該当することから、蓄電池システムを設置し、太陽光発電の急峻な出力変動を平滑化する。蓄電池システムには、韓国企業製のLiイオンキャパシターを採用する。

 Liイオンキャパシターは、Liイオン電池の負極と電気二重層コンデンサ(キャパシター)の正極を組み合わせた構造を持ち、相対的に高い出力密度(kW)と高いエネルギー密度(kWh)を両立できるとされている。

 今回の蓄電池併設型メガソーラーの設計・施工は、北弘電社が担当する。メガソーラーと蓄電池システムのパワーコンディショナー(PCS)には、富士電機製を採用する。総事業費は約40億円を見込む。