カナダのオンタリオ州の独立系統運用機関(Ontario's Independent Electricity System Operator:IESO)は11月23日、新たなエネルギー貯蔵プロジェクトとして、5社による9件・合計出力16.75MWの提案を採択したと発表した。

 今回採択したプロジェクトによって、同独立系統運用機関が計画していた合計50MWのエネルギー貯蔵システムの導入を完了する。再生可能エネルギー発電電力の出力変動など、電力網における環境の変化に対応しながら、信頼性を維持する能力を備えるためのものとする。

 採択された5社は、Ameresco Canada社、SunEdison Canada Origination社、NextEra Canada Development & Acquisitions社、NRStor社、Baseload Power社となっている。

 採択された提案は、固体電池による4件・合計出力8MW、フロー電池による4件・合計出力7MW、圧縮空気システムによる1件・出力1.75MWである。プロジェクトは10年間の契約となっている。

 オンタリオ州の独立系統運用機関では、電力網の信頼性を維持するために、エネルギー貯蔵システムを使って、秒単位で電力を充放電する仕組みを導入する。また、時間帯ごとの電力価格の調整と組み合わせ、低価格の時間帯にエネルギー貯蔵システムに充電し、電力が不足しそうな時間帯には、エネルギー貯蔵システムから放電させる契約を用意している。

 こうした調整によって、太陽光発電や風力発電の出力変動を吸収しながら、これらの再生可能エネルギー発電の出力を最適化できるとしている。例えば、10月に起きがちだという、再エネの急な発電量の上下動を吸収するために使う。

 今回のプロジェクトを含む電力システム全体を、オンタリオ州の独立系統運用機関が管理していく。プロジェクトの参画企業を含むパートナー企業との連携を密にし、最適な運用を実現するとしている。