ハイブリッドシステムを設置した住宅のイメージ
ハイブリッドシステムを設置した住宅のイメージ
(出所:NEDO)
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 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)は11月24日、カナダ・オシャワ市で、太陽光パネルと蓄電池併用型インバーターシステムの実証運転を開始したと発表した。この実証事業は、同市で実施中のスマートコミュニティ・プロジェクトの一環で、NEDOと田淵電機が共同で取り組んでいる。

 太陽光パネルと蓄電池を1台で制御できる「ハイブリッド・インバーターシステム」を同市内30戸の家庭に設置した。停電時における非常用電源としての活用に加え、電力会社が遠隔で出力を制御することで系統安定化のためにも活用する。2016年度末まで検証する。

 今回導入したシステムは、1つのインバーター(パワーコンディショナー:PCS)で太陽光パネルと蓄電池システムの両方を制御でき、蓄電池から系統への逆潮流を防ぐ制御機能も備えている。こうした機能は日本独自の技術という。

 実証事業の性能評価では、太陽光パネルの出力、蓄電池の充放電状態、各家庭の消費電力を測定し検証することで、オシャワ市における最適な太陽光発電と蓄電池の容量を見極める。また、停電時における非常用電源としての利用に加え、深夜電力を蓄電池に充電し、日中に放電利用するピークシフトを考慮した、蓄電池の充放電制御などの運転方法を確立する。

 個々に設置するシステムは、各家庭の所有物としてではなく、電力会社のネットワークの一部として電力会社が一括購入し、各家庭にリースする形にする。家庭と電力会社の双方にとってメリットのあるビジネスモデルの確立を目指す。