人との協働作業を想定して開発した小型ロボット「COBOTTA」
人との協働作業を想定して開発した小型ロボット「COBOTTA」
専用アプリを使うとタブレット端末の画面を指でなぞるだけでアームを直感的に動かせる
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本体底部のベース部(背面)
本体底部のベース部(背面)
ここにロボットコントローラーを内蔵することで専有面積を大幅に削減した。外部インタフェースも背面に集約している。
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開発に当たったデンソーウェーブ制御システム事業部技術企画部製品企画室担当課長の澤田洋祐氏
開発に当たったデンソーウェーブ制御システム事業部技術企画部製品企画室担当課長の澤田洋祐氏
電王手くんなどの開発者でもある。
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写真左はCOBOTTAを2台組み合わせて双腕型にしたもの
写真左はCOBOTTAを2台組み合わせて双腕型にしたもの
電王手くんなどの開発者でもある。
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 デンソーウェーブ(本社愛知県・阿久比町)は、2015年11月26日、開発中の小型協働ロボット「COBOTTA」のプロトタイプを報道陣向けに公開した。アーム長310mmの6軸ロボットで、作業者と同じ空間に設置して作業を補助したり、作業者の隣で同じ作業をしたりといった使い方を想定している。

 「人との協働、卓上での利用、簡単なインテグレーション(導入)、の3つをコンセプトに開発した」(同社制御システム事業部技術企画部製品企画室担当課長の澤田洋祐氏)。最大可搬質量は500g。工場の他に医療分野や研究室、大学などの教育機関などで机の上に置いて小物部品のハンドリングに使うことを意識したという。

 最大の特徴は、安全柵の無い場所で人と一緒に作業するために、本質安全と機能安全の両面から安全性を高めている点だ。本質安全の観点からは、指などが挟まれないよう可動部周辺のすき間や可動範囲などの設計を工夫した他、ぶつかってもケガをしないよう全体に丸みを帯びた形状とした。機能安全の観点からは、人と共存させて使う場合にアームの動作速度を250mm/s以下に制限する機能を搭載。さらに、その速度やアームの位置を監視する機能を2重化して相互監視させている。ただし、安全柵内で人から隔離して動作させる場合には、1000mm/sで動かすことができる。なお、設計に当たっては、名古屋大学大学院工学研究科教授の山田陽滋氏にリスクアセスメントを依頼したという。

 卓上で利用するため、従来のロボットに比べて大幅に小型・軽量化しているのも特徴だ。小型化するに当たっては、一般の産業用ロボットでは別体となっているロボットコントローラーを、COBOTTA本体のベース部に格納した。これにより占有面積は227cm2と、同社の既存小型ロボットの14%程度に抑えた。質量も3.8kgと同15%程度で、容易に持ち運びできる。専用スタンドを使えばボルトで固定しなくても自立可能で設置も簡単だ。