韓国LG Display社は1兆8400億ウォン(約1960億円)を投資し、有機ELパネルの生産工場としては「世界最大規模」(同社)となる新工場「P10」を建設することを、2015年11月26日の理事会で決定したと発表した。順次規模を拡大し、総額10兆ウォン以上(1兆600億円以上)をこの新工場に投資する考えである。

 新工場P10で生産するのは、テレビやデジタルサイネージ用などの超大型有機ELパネルと、柔らかくて曲げられるフレキシブル有機ELパネルである。それぞれ専用の生産ラインを構築する。超大型有機ELパネルの生産ラインでは、「第9世代以上の大型基板を使用、白色有機ELとカラーフィルターの組み合わせ方式を採用する」(同社)。P10を建設するのは、現在同社が大型液晶パネルを生産しているパジュ(坡州)工場内。2015年内に着工し、2018年上期の稼働開始を目指す。

 LG Display社は、グミ(亀尾)工場にも1兆500億ウォン(約1065億円)を投資し、第6世代基板を用いたフレキシブル有機ELパネル工場を建設する方針を、2015年8月17日に公表していた。2017年上期に量産を開始する計画で、初期の生産能力は7500枚/月(基板投入換算)。同社はこのグミ工場にも2018年までに10兆ウォン以上(1兆600億円以上)を投資し、フレキシブル有機ELと大型有機ELを中心に、ハイエンド液晶パネルも含めて増産する。

LG Displayが2015年10月の展示会で披露した超大型・曲面有機ELディスプレー
LG Displayが2015年10月の展示会で披露した超大型・曲面有機ELディスプレー
(写真:同社)
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