新認定制度のイメージ
新認定制度のイメージ
(出所:経産省)
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送配電買取における小売電気事業者への引き渡し方法
送配電買取における小売電気事業者への引き渡し方法
(出所:経産省)
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 経済産業省は11月26日、再生可能エネルギー導入促進関連制度改革小委員会の第5回会合を開催し、固定価格買取制度(FIT)の見直しに向けたこれまでの論点を整理し、それぞれの方向性を示した(関連記事)。導入を検討していた入札制度に関しては、大規模な案件を中心とし、住宅用(10kW未満)については、あらかじめ価格低減のスケジュールを設定する方式を事務局案として示した。

 今回の小委員会では、大きな論点を5つ挙げた。(1)新認定制度のあり方、(2)認定制度の見直しに伴う既認定案件への対応、(3)太陽光に関するコスト効率的な価格設定について、(4)送配電買取における小売電気事業者への引き渡し方法、(5)RPS制度の経過措置の廃止――。

 「新認定制度」により、認定の時期は、電力会社との系統接続契約の締結後となる。これまでの「設備の認定」という形から、「事業の認定」に変わる。系統接続契約の締結を条件とするのは、事業の確実性を担保するためだ。加えて、認定後には、「遵守事項」として「安全性の確保や発電能力の維持」「発電事業の継続性」「地域との共生」を求め、適切に行われていない場合には、改善を求めたり、認定の取消を可能とする。

 新認定制度の導入に伴い、系統接続契約を締結している既存の認定案件は、現行の認定制度のステータス(買取価格など)を生かす。一方、接続契約を締結していない既存の認定案件については、旧認定制度のステータスを持ち越せない。これにより、系統接続契約の締結に至らない「滞留案件」が一掃されることになる。

 既存の認定案件が新認定制度に移行し、一度取得した買取価格を維持できるか否かは、系統接続契約の締結の有無による。このため、工事費負担金の請求額を決めるための入札など、契約締結までに時間のかかる場合には、一定の猶予期間を設ける。

 現在、太陽光の認定容量は約82GWに達している。経産省・事務局は、「82GWのうちすでに系統接続契約を締結している案件は、約40GW。猶予期間内に10GW程度が駆け込みで接続契約する可能性があり、旧認定から新認定制度に移行するのは、最終的に52~53GWになるのではないか」との見方を示した。そうなれば、新認定制度への移行で、約30GWが一掃されることになる。