オムロン ヘルスケアは、Bluetooth通信機能を持ち、測定データをiPhoneで手軽に転送できる手首式血圧計「HEM-6321T」「同6320T」を2015年11月30日に発売する。ターゲットは30歳代・40歳代の男性で、スーツなどを着たままでも測れる手首式。同社の家庭用手首式血圧計としてBluetooth通信機能を搭載するのは初めて。

HEM-6321Tで計測する様子。大きさは幅89mm×高さ61mm×奥行き25mm(カフ含まず)、重さは約100g(電池含まず)。筐体前面の色はHEM-6321Tがブラック、HEM-6320Tはグレー
HEM-6321Tで計測する様子。大きさは幅89mm×高さ61mm×奥行き25mm(カフ含まず)、重さは約100g(電池含まず)。筐体前面の色はHEM-6321Tがブラック、HEM-6320Tはグレー
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なぜ家庭血圧か

 新製品発表会で、オムロン ヘルスケア 生体医工学専門職の白崎修氏は、家庭血圧の重要性と、若いうちから血圧を測ることの重要性を説明した。同氏の説明によれば、かつて血圧は、病院で計測するものとされていたが、血圧を家庭で測ると正常なのに病院で測ると高い数値が出る「白衣高血圧」や、その逆に病院では低い数値が出る「仮面高血圧」などの存在が明らかになり、家庭血圧が重視されるようになった。

家庭血圧の重要性と、若いうちから血圧を測ることの重要性を説明するオムロン ヘルスケアの白崎修氏
家庭血圧の重要性と、若いうちから血圧を測ることの重要性を説明するオムロン ヘルスケアの白崎修氏
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 白衣高血圧は院内環境によって血圧が一時的に上昇してしまう現象。すぐに治療する必要はないが、経過を見守る必要がある。仮面高血圧は、薬を飲んでから病院へ行く人や、タバコや酒を控えて病院へ行く人に見られる現象。医師からは見えない高血圧であり、持続性高血圧(家庭と病院、どちらで測っても高い)と同等かそれ以上のリスクがある。

 このように診察室血圧ではしばしば、通常とは異なる値が出るため、「家庭血圧のほうが、疾患の発症率ときれいに相関する」(白崎氏)ことが分かった。日本高血圧学会では、診察室血圧と差がある場合は、家庭血圧を優先するガイドラインを定めている。