東京都医師会は、都内の地域包括ケアシステムの構築に向けた第1段階として、病院間のネットワーク連携を推進する。このたび、都内の病院での導入率が高い、富士通の地域医療連携システム「Human Bridge」とNECの地域医療連携システム「ID-Link」の間で一定の条件下で医療情報の相互連携が可能になったことを同医師会が検証・確認。これを受け、相互連携に必要なシステムのバージョンアップを、2016年度の東京都の補助金事業として始めることを2015年11月19日に開催した記者会見で発表した。

説明する東京都医師会 理事の目々澤肇氏
説明する東京都医師会 理事の目々澤肇氏
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 東京都医師会 理事の目々澤肇氏は、「都内には基幹となるべき大病院が多く、(地方のように)どこの病院を中心に地域包括ケアシステムを構築するというわけにはいかない。さらに、都内では交通の便の良さもあり患者が病院間を移動することも多い。そこで、まずは病院を横並びにして情報の相互連携を実現できる体制にする必要がある」と、今回の取り組みの意義を指摘。その上で、病院-診療所間、あるいは在宅医療の多職種間での情報連携を進め、地域包括ケアシステムの実現を目指す考えを示した。

今回は、病院間(赤い線の部分)の情報連携の実現を目指したもの
今回は、病院間(赤い線の部分)の情報連携の実現を目指したもの
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