景観上、土地形状に違和感を与える例を図示した 
景観上、土地形状に違和感を与える例を図示した 
(出所:山梨県)
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景観上、土地形状に違和感を与える例を図示した 
景観上、土地形状に違和感を与える例を図示した 
(出所:山梨県)
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 山梨県は11月4日、「太陽光発電施設の適正導入ガイドライン」を公表した。対象は、10kW以上の事業用太陽光発電で、屋根設置を除いた施設となる。ガイドラインでは、「県独自の新たなフロー」として、立地の検討や、設置時の防災・景観・環境面などへの配慮、住民との合意形成などに関し、まず「市町村への事前相談」を求めている。

 「市町村への事前相談」など「県独自のフロー」は、すでに経産省から設備認定を取得した案件にも適用される。設置時の防災・景観・環境面などの検討のほか、場合によって「立地の再検討」の可能性も記している。

 「立地の検討」に関しては、「立地を避けるべきエリア」と「立地に慎重な検討が必要なエリア」を挙げている。

 避けるべきエリアには、国立・国定公園・県立自然公園の特別地域と普通地域、条例に基づく32の保全地区、富士山北麓世界遺産景観保全地区のほか、保安林、災害危険区域、農業振興地域などを挙げている。これはすでに法的に規制されている場合が多い。

 「立地に慎重な検討が必要なエリア」には、「傾斜度が30度以上ある土地」、「地域森林計画対象民有林」、「市町村により景観形成拠点として位置づけられ場所」などを挙げた。これらの場所については、必ずしも法令上の手続きは必要ないが、「慎重な検討」を求めている。

 また、設置時に順守すべき事項として、景観面では太陽光パネルの色彩、植栽やフェンスなどによる目隠しの手法を示した。また、「環境保全上特に必要があるときは、造成工事を数ブロックに分け、緩衝エリアの緑地を設けること」「希少野生種が生息する土地がある場合には保全措置を講ずること」などを求めている。

 緑地の形成に関しては、「敷地面積2000m2以上の場合、敷地の20%以上」「パネルの水平投影面積3000m2以上の場合、周辺部に15%以上」と、具体的な基準も占めした。

 加えて、発電所の入り口に、事業者名と保守管理者名、連絡先(住所・電話番号)の表示を義務付け、法的には「立ち入り防止措置」の必要のない50kW未満の低圧案件に関しても、フェンスなどで囲み、人が入れないようにする措置を求めている。