これまでの成果である超薄型の低コスト太陽電池セル
これまでの成果である超薄型の低コスト太陽電池セル
(出所:明治大学)
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 明治大学は11月11日、結晶シリコン型太陽電池の発電コストを低減するめの新プロジェクトを始めると発表した。理工学部・電気電子生命学科の小椋厚志教授らの研究グループが中心となる。同教授の研究テーマである「先端複合技術シリコン太陽電池プロセス共通基盤に関する研究開発」が、経産省の研究開発事業に採択された。

 豊田工業大学と共同研究体制を組むとともに、九州大学、名古屋大学、東京工業大学、兵庫県立大学を加えた6大学によるコンソーシアムを発足させる。それぞれ得意とする分野の技術的知見、ノウハウなどを集めることで、結晶シリコン太陽電池の高性能化に不可欠な、結晶・ウエハ、接合、界面・表面、シミュレーション、および物理・化学分析などの共通基盤技術について研究開発を進める。期間は、2015年度~2019年度の予定。

 明治大学は、2010年度~2014年度にも豊田工業大学らと共に大学、企業とのコンソーシアムを組み、結晶シリコン太陽電池について原料の製造から太陽電池セルまで一貫した研究開発を効率的に推進することで、シリコン原材料の製造、結晶成長、太陽電池作製などの技術に関する研究開発を進めた。その結果、薄板スライス技術の開発や、ヘテロ接合バックコンタクトセルにおいて変換効率25.1%を達成するなど、成果を挙げたという。