米国カリフォルニア州の公営電力・水道事業者であるTurlock Irrigation District(TID)社は11月11日、米サンパワーと20年間の電力購入契約を締結したと発表した。

 サンパワーが開発、運用するメガソーラー(大規模太陽光発電所)「Rosamond Solar site」から電力を購入する。

 メガソーラーは、カリフォルニア州カーン郡の南東部にあるアンテロープ・バレー(Antelope Valley)に立地する。

 出力は54MWで、11月中に着工し、2016年末に運用を開始する予定となっている。稼働後の年間発電量は、一般家庭約2万軒の消費電力に相当する量を見込んでいる。

 カリフォルニア州では、電力会社に義務化するRPS(Renewable Portfolio Standard:再生可能エネルギー利用割合基準)を、2030年までに従来の目標の30%から50%に引き上げることが決まっている。

 この目標値の増加をTID社が満たすには、既存の火力発電から再生可能エネルギーへの移行を7%分追加する必要があるという。今回の電力購入契約には、将来的なRPSの達成に備える意味もある。

 TID社によると、今回の契約に基づく電力購入額は、既存の電源に対して競争力のある価格という。加えて、2016年末には、連邦税制上の優遇措置によって、間接的に利益を得られるとしている。

 今回、サンパワーが建設するメガソーラーは、TID社向けの出力54MWのほか、スタンフォード大学向けに電力を供給する同54MWなど、合計出力で最大300MWまで設置できる計画という。2016年の建設のピーク時には、約350人分の雇用を創出する。

 サンパワーは、「Oasis Power Plant system」と呼ぶ、メガソーラー向けに標準化した太陽光発電システムを導入する。構成要素をブロック化した上、土地の利用を最適化しやすいシステムで、設計・施工の迅速化のほか、費用対効果が高いと強調している。

 同システムには、太陽光パネルへの洗浄ロボットの活用も含んでいる。従来の洗浄方法に比べて、水の使用量が75%少なくなる上、システム全体の効率が最大で15%向上するとしている。