パナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポール社(PAPRDSG)に設置した太陽光発電設備
パナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポール社(PAPRDSG)に設置した太陽光発電設備
 (出所:パナソニック)
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 パナソニックは、同社グループのシンガポールにある工場で、出力2.8MWのメガソーラー(大規模太陽光発電所)を導入すると発表した。パナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポール社(PAPRDSG)が10月末に同国最大のクリーンエネルギー供給会社であるサンシープ社との間で、太陽光発電システムの25年リース契約を締結した。

 同工場には、すでに4MWのメガソーラーを導入済みで、今回導入する分と合わせ、太陽光発電の総容量は2.8MWとなり、ピーク時の電力総需要の10%を賄えるという。2015年内にも稼働を始める予定。

 太陽光パネルは、パナソニック製のヘテロ接合型結晶シリコン型太陽電池「HIT」を採用する。変換効率は19%となる。5棟の工場建屋の屋上、のべ2万m2にすでに計1万124枚を設置した。既存設置分と合わせると1万2000枚となる。今回、設置したパネルは、マレーシア ケダ州のクリム ハイテクパーク工業団地にあるパナソニック エナジー マレーシアで製造した。

 HITは、業界トップレベルの高効率で、屋根上など限られた設置スペースへの導入に向いている。また、高温の環境下でも発電ロスが少ないため、熱帯性気候の地域にも適しているという。

 PAPRDSGの寺崎温尚社長は、「産業セクターは膨大なエネルギーを消費しているが、サンシープと太陽光発電リースで協業することで、CO2排出量を削減すとともに、産業界における太陽光エネルギーの使用を促進したい」とのコメントを発表した。パナソニックグループは環境に配慮したものづくりによって、2016年までに70万tのCO2を削減する目標を掲げており、今回のシステムはその実現に貢献することになる。

 今回締結したリース契約では、サンシープがシステムの導入・維持コストを負担し、PAPRDSGは既存の電力網よりも低コストで電気を購入し、コスト削減にもなる。サンシープグループのディレクターであるフランク・プアン氏は、「これから25年に渡ってパナソニックとは有意義なパートナーシップを築いて行きたい」と述べた。

 パナソニック アプライアンス 冷機デバイス シンガポールは、1972年に設立され、冷蔵庫やウォータークーラー、自動販売機向けのコンプレッサを生産している。自動化ラインの活用により年間700万台の生産規模を持つ。