初飛行を終え、無事に着陸したMRJ
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MRJのタラップ上で手を振る乗組員
MRJのタラップ上で手を振る乗組員
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左から副操縦士の戸田和男氏、機長の安村佳之氏、三菱航空機社長の森本浩通氏、同社チーフエンジニアの岸信夫氏
左から副操縦士の戸田和男氏、機長の安村佳之氏、三菱航空機社長の森本浩通氏、同社チーフエンジニアの岸信夫氏
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 2015年11月11日、三菱重工業傘下の三菱航空機は小型ジェット旅客機「MRJ(Mitsubishi Regional Jet)」を初飛行させた。初飛行スケジュールを5回も延期したため、「本当に飛べるのか」と懸念する声も少なくなかったが、晴れわたった秋空に、力強く離陸した機体は、約1時間半のフライトを終えて、県営名古屋空港に無事着陸した。

 同日夕刻、三菱航空機の経営幹部とMRJのパイロットは、名古屋市内で記者会見を開いた。初飛行を成功させた喜びと、そこに至る苦労、航空会社へのデリバリーに向けた課題などを語った。

 「(MRJは)いつ飛ぶんだと言われきたが、無事初飛行できてほっとしている。半世紀ぶりの国産旅客機で、開発に予想以上に時間を要した。ゼロからのスタートでよくここまできたなと思っている」。三菱航空機社長の森本浩通氏はこう感慨深げに語った。

 MRJの初飛行を成功させた後は、長い時間をかけて飛行試験を繰り返し、そこで見つかるさまざまな課題を乗り越えて、設計にフィードバックする必要がある。さらに日米の航空当局の認証を得ることも欠かせない。

 「文字通り、ここから始まる。これから数千時間の試験、(航空当局からの)型式証明の取得など道のりが続く。本日の喜びを糧に、また明日からゴールに向かって邁進したい」(森本氏)。