紫外光を効率よく赤色光に変換するカメレオン発光体
紫外光を効率よく赤色光に変換するカメレオン発光体
(出所:北海道大学)
モジュールのサンプル
モジュールのサンプル
(出所:北海道大学)
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 北海道大学は10月8日、温度変化によって発光色が変わる「カメレオン発光体」の技術を結晶シリコン型太陽電池に応用し、変換効率を2%向上させることに成功した、と発表した。同大大学院工学研究院の長谷川靖哉教授の成果で、2%アップは世界最高記録という。

 「カメレオン発光体」とは、ユーロピウムという希土類元素を含む分子型の発光体で,2013 年5月に発表していた。今回,従来の結晶シリコン型太陽光パネルに張る特殊な保護フィルム(EVA フィルム)に、紫外光を効率よく赤色光へと変換する「カメレオン発光体」の誘導体を入れた。このフィルムを太陽光パネルの表面に張ると、カメレオン発光体が紫外光を吸収して赤色領域に発光し、結晶シリコン型太陽電池の光吸収領域が増えるため、変換効率が2%向上したという。

 世界中に普及している結晶シリコン太陽光パネルに装着できる。耐久試験によると、変換効率の向上効果は10年間、有効と考えられ、結晶シリコン型太陽電池の実用的なパワーアップパーツとして期待できるという。