NB-IoTの要求条件
Vodafoneが示すNB-IoTの要求条件
Global Mobile Broadband Forum 2015でVodafone社が講演した内容から
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 英Vodafone社、中国Huawei Technologies社、スウェーデンEricsson社、フィンランドNokia社などは、携帯電話網を活用したIoT通信手法「NB-IoT(NarrowBand IoT)」の推進に向け、業界団体を設立することで一致したことを明らかにした。

 NB-IoTは、移動通信の業界団体「3GPP」で標準化が進められている通信仕様。免許帯域などを使い、数kmの距離(最大20km程度)でデータを無線でやりとりできる。利用する帯域幅が約200kHzと、現行LTEなどに比べ狭帯域であるため、LTEのガードバンドやGSMの周波数帯などを活用できることを強みとする。推進企業は、各種のセンサーや機器に組み込める通信モジュールを安価に提供し、機器間通信の業界標準獲得を目指す。

 団体の名称は「NB-IoT Forum」になるもよう。推進企業・団体はVodafone社などのほか、中国China Mobile社、中国China Unicom社、UAEのEtisalat社、GSM Association、米Intel社、韓国LG Uplus社、米Qualcomm社、伊Telecom Italia、スペインTelefonicaグループなど。

 NB-IoTは、Vodafone社とHuawei社が2014年前半に共同提案し、2015年9月から3GPPで本格的な仕様検討が進められてきた。2016年3月~6月には仕様が凍結される見込みだ。仕様討議の場ではこれまで、Vodafone社およびHuawei社が提案する手法と、伝送パラメーターなどで意見の異なる提案が出ていたという。ただ今回、Ericsson社やNokia社など3GPPの主要プレーヤーが揃ってNB-IoTの推進に動き出したことで、大きな意見対立などは回避される見込みだ。

 NB-IoTの実用化に積極的なHuawei社は、2016年夏に商用化する方針を表明している。このための通信モジュールの開発を積極化しているほか、今後さらに、中国や海外の携帯電話事業者にNB-IoTの活用を働き掛けるとしている。