「酸素めがね」を着用したモデル
「酸素めがね」を着用したモデル
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 眼鏡の販売などを手掛ける三城は、目元部分に酸素や水蒸気を引き寄せる機能を備える「酸素めがね」シリーズ(9型34種類)を2015年11月27日に発売する。

 眼鏡フレームのレンズ縁部(リム)やブリッジ(両眼フレームをつなぐ部分)に、酸化チタンを原料とするコーティングを施しており、紫外線が当たることで酸素と水蒸気を集める「光誘起親水性」を利用している。スマートフォンやパソコンの多用による眼精疲労やドライアイの人をターゲットとする。

 同社では今回のコーティングを「光誘起透明膜」と名付けた。「波長200~400nmの紫外線に反応して、電子とホール(正孔)を発生する。最終的には4つのホールに4つのOH-が反応し、2つのH2Oと1つのO2ができる反応が、主に生じる」(説明員)とする。

 効果が得られるのは、ドライアイなどの症状を引き起こしやすい相対湿度が35~45%と低い状態のとき。眼球表面の位置に当たる、フレームから5~8mmの距離で湿度や酸素量が上がることを確認している。

 ただし、湿度が高い状態では、水蒸気量が飽和状態に近く、光誘起透明膜による湿度の上昇はほとんど見られないとする。同社では金属の酸化物半導体について研究をしており、今回のコーティングはその成果の1つという。

展示スライド。酸素量と湿度が上昇することを確認している
展示スライド。酸素量と湿度が上昇することを確認している
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