呼気水素検知器プロトタイプ(左)、呼気VOC検知器プロトタイプ(右)
呼気水素検知器プロトタイプ(左)、呼気VOC検知器プロトタイプ(右)
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呼気VOC検知器プロトタイプが搭載するアルゴリズム
呼気VOC検知器プロトタイプが搭載するアルゴリズム
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 産業技術総合研究所(産総研) 無機機能材料研究部門 電子セラミックスグループはフィガロ技研と共同で、健康管理に向けた呼気ガス検知器を開発した(ニュースリリース)。あいち健康の森健康科学総合センターや愛知工業大学、愛知県がんセンターと共同で、開発した呼気ガス検知器の実証実験を既に開始している。

 産総研は今回、愛知県の「知の拠点あいち」重点研究プロジェクトの支援を受けて、呼気中の水素ガス濃度を熱電式水素センサーで高感度に検知できる「呼気水素検知器」のプロトタイプを、フィガロ技研と共同で開発。2014年度と2015年度に、あいち健康の森健康科学総合センターと愛知工業大学において834人のボランティアの呼気を計測した。また、肺がんの早期発見を目指し、肺がん患者のがん切除手術前後の呼気ガス成分を比較分析し、呼気中の揮発性有機化合物(VOC:Volatile Organic Compounds)から複数の肺がんマーカー物質の組み合わせを見出した。

 これらの結果を基に、複数のマーカー物質の濃度から肺がん患者と健常者とを高精度で識別できるアルゴリズムを開発。併せて、濃度数ppbレベルのマーカー物質を検知できる高感度の半導体式VOCセンサーも開発した。