セイコーエプソンは、同社のインクジェットプリンターのコア技術である「PrecisionCoreテクノロジー」を適用したプリントヘッドの製造ラインを、報道機関向けに公開した。同社は、この技術を適用したプリントヘッドのようなコアデバイスをすべて国内で製造する方針を採っている。

 インクを吐出するためのアクチュエーターとして機能するピエゾ素子、インクを流す「インク室」、インクを吐出する「ノズルプレート」の3つで構成する部品を「プリントチップ」と呼ぶ。最新のプリントチップが、「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」である。同チップのノズルプレートには、直径20μmほどのノズルをおよそ1列400個で2列、計800個並べている。ノズルピッチは84.7μmである。各ノズルからは、1.5p~32.5pL(ピコリットル)のインク滴を吐出可能。動作周波数は最大50kHzである。

 こうした微細構造に加えて、プリントチップの厚さは1mmほどと薄いため、製造にはMEMS技術を適用している。現在、口径8インチのSiウエハー上にピエゾを付けて加工している。

「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」
「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」
[画像のクリックで拡大表示]

「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」の構造
「PrecisionCoreマイクロTFPプリントチップ」の構造
[画像のクリックで拡大表示]