カネカとNEDOが開発した「高効率ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池」
カネカとNEDOが開発した「高効率ヘテロ接合結晶シリコン太陽電池」
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従来の両面電極型太陽電池の構造(左)と、今回の構造(右)
従来の両面電極型太陽電池の構造(左)と、今回の構造(右)
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 カネカと新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)は2015年10月23日、両面電極型ヘテロ接合結晶Si太陽電池としてセル変換効率25.1%を達成したと発表した。測定値はドイツFraunhofer Instituteが認定した。セル寸法は5インチ(約12.7mm)角、面積は152cm2でそのまま実用化できる大きさである。

 技術的詳細は2015年10月28日に開催されるNEDOの「平成27年度新エネルギー成果報告会」で発表する。また、カネカは開発技術を基にした太陽電池セルのパイロット生産設備を構築し、開発品と同タイプの太陽電池を2015年度中に発売するという。

 結晶Si系太陽電池ではパナソニックが2014年4月に実用に利用できる寸法のセルでセル変換効率25.6%、シャープも同月に、同25.1%を達成したと発表している(関連記事)。カネカは実用サイズのSi系太陽電池で25%台を達成した3社めのメーカーとなった。

 ただし、パナソニックとシャープの太陽電池は、共に、セルの裏面にのみ電極を形成した構造を採用。一方、カネカの開発品は、太陽電池として一般的な、セルの表側にも電極を残す両面電極型。同型のSi系太陽電池としては初の25%台だという。

 カネカは6インチ角の太陽電池でも2015年7月にセル変換効率24.52%を達成したと発表している(関連記事)。そのセルや今回の開発品は共に、セルの表側のバス配線に銅(Cu)配線を銅めっき法で形成している点が特徴となっている。