米国の第三者認証機関であるULは9月16日、太陽光パネルのバックシートの信頼性の評価に関して、米国のエネルギー省(DOE)から助成金を獲得したと発表した。

 同省が進めている「サンショット・イニシアティブ」の一環として、135万米ドルの助成金を得た。材料の性能と長期信頼性を評価する新たな手法の開発に充てる。

 具体的には、高分子材料によるバックシートの実環境における長期信頼性を、試験施設における加速試験で得られたデータと照合して評価できるようにする。加速試験の結果と実使用環境での劣化の相関関係を明らかにする。

 ULによると、太陽光パネルを設置後、間もなく、バックシートが目に見えて劣化することがある。

 この原因として、過剰なコストダウンの圧力や、性急な製品開発によって、耐久性の証明が不十分な材料の使用や混合を余儀なくされる場合があること、既存の試験項目の中に、実際の設置環境条件における長期耐久性を含んでいないことを挙げている。

 今回の助成を受け、この課題の解決に寄与する手法を開発する。開発する手法によって、パネルメーカーの設計の最適化だけでなく、信頼性の予測の不確実性を低下させ、太陽光発電事業者や運営者、保険会社にとっても有効な評価手法を提供できるとしている。

 ULは、材料メーカーの米3Mや仏アルケマ、米ケース・ウェスタン・リザーブ大学、米再生可能エネルギー研究所(NREL:National Renewable Energy Laboratory)、米標準技術研究所(NIST:National Institute of Standards and Technology)、米ノースイースタン大学と協力して開発する。