「いちご昭和村生越ECO 発電所」の完成予想図
「いちご昭和村生越ECO 発電所」の完成予想図
(出所:いちごグループホールディングス)
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約85haの建設予定地
約85haの建設予定地
(出所:日経BP)
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10月15日に開催した起工式の様子
10月15日に開催した起工式の様子
(出所:日経BP)
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 いちごグループホールディングス傘下のいちごECO エナジー(東京都千代田区)は10月15日、群馬県昭和村で「いちご昭和村生越ECO 発電所」の起工式を開催した。同発電所は、太陽光パネルの設置容量で約43MW、連系出力30MWに達する。関東地方では最大級のメガソーラー(大規模太陽光発電所)となる。

 約85haもの建設用地は、55人の地権者が所有する民有地で、事業用地としてリゾート開発などの計画もあったが実現せず、長年放置されてきた。固定価格買取制度(FIT)の開始を受け、メガソーラー事業の誘致に乗り出し、群馬県のマッチング制度を通じて、いちごECOエナジーが発電事業者に決まった。

 いちごECOエナジーは9月28日、日立製作所と工事請負契約を締結した。2016年3月までに土木造成工事を終え、同年4月から日立がEPC(設計・調達・施工)サービス事業者として、太陽光パネルの設置作業を開始する。2017年中に完工し、2018 年2 月期の売電開始を予定する。太陽光パネルは中国インリーソーラー製、パワーコンディショナー(PCS)は日立製作所製を採用する。架台には杭基礎を使い、パネルを土地なりに設置する。

 総事業費は、約137億円を見込む。プロジェクトファイナンスを組成し、三井住友銀行、みずほ銀行、新生銀行、群馬銀行によるシンジケートローンにより、123億8000万円の融資を受ける。年間の推定発電量は約5万MWh。FITによる買取価格は36円/kWhで、売電開始後、想定NOI(営業収益)は年間13憶5400万円を見込んでいる。

 起工式の挨拶で、いちごグループホールディングスの長谷川拓磨社長は、「昭和村の発展と美しい村づくりに貢献したい。いちごグループにとっても最大規模であり、重要な発電所になる」と述べた。地権者会の林幸美会長は、「荒れていた山野がクリーンエネルギーを生み出す発電所になる。東京オリンピックに、クリーンな電力を昭和村から送れる意義は大きい」と述べた。