定置型蓄電池の国内市場の予測
定置型蓄電池の国内市場の予測
(出所:矢野経済研究所)
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 矢野経済研究所は10月1日、定置型蓄電池(ESS:Energy Storage System)市場に関する調査結果を発表した。それによるとESSの国内市場は、住宅用を牽引役に2017年に119万5708kWh、2020年には330万6600kWhに急拡大すると予測している。

 2015年のESS国内市場規模(メーカー出荷容量ベース)は58万1491kWhとなる見込みで、前年比194.1%の伸びとなる。設置先・需要分野別では住宅用が5割以上と最も高い比率を占め、市場の牽引役となっている。住宅用関連プレーヤーは今後に向け太陽光発電とのセット提案や、固定価格買取制度(FIT)による余剰電力買取の10年間の契約期間が終了する2019年以降を見据え、既設太陽光ユーザー向けの提案を推進している。

 国の補助金の状況次第で2016年は成長率の鈍化が予測されるが、上記のような提案の推進により再び成長率は回復する流れにあるとみている。住宅用以外では再生可能エネルギーの増加、電力市場の変化を背景に、電力系統用、企業・業務用の需要の伸びが市場成長に寄与し、2017年の同市場規模は119万5708kWhまで拡大すると予測する。

 2020年のESS国内市場は330万6600kWhと予測している。2017年比では3倍近くの市場成長となる見通しだ。2020年のESS国内市場規模は、2017年比で 276.5%の330万6600kWhになると予測する。設置先・需要分野別では住宅用が引き続き高い比率を占め、66.0%の比率になると予測する。住宅用以外では電力系統用が16.9%、企業・業務用が14.5%を占めるとみている。