三菱UFJリースは10月9日、太陽光発電事業の関連資産を専門に管理する子会社を設立し、再生可能エネルギー関連のアセットマネジメント事業に本格的に参入すると発表した。新会社の社名は、MULエナジーインベストメント。2015年10月15日に設立し、本社は東京都千代田区に置き、資本金は1億5000万円とする。
三菱UFJリースは、太陽光発電のリース資産をすでに1000億円以上保有し、管理している。こうした事業を通じ、太陽光発電設備のアセットマネジメントのノウハウを蓄積してきた。加えてエネルギー関連企業とのネットワークも生かし、発電事業の取得・売買・仲介、さらに再エネ事業を対象とするファンド組成と運営まで乗り出すことで、再エネ分野でのトータルソリューションを提供することを目指す。
再エネの固定価格買取制度(FIT)の開始で、再エネ市場は急拡大しているが、買取価格の引き下げに伴い、新規の太陽光発電事業はピークアウトが予想される。一方で、将来的には、稼働済みの発電サイトのメンテナンスや評価、資産の運営管理や売電事業のセカンダリー市場での売買など、アセットマネジメント事業に対するニーズの拡大が見込まれている。
こうした需要を取り込むべく専門の新会社を設立した。まず、太陽光発電事業者向けのアセットマネジメントサービスの提供や太陽光発電事業の買い取りを進め、2018年3月までに数百億円規模の資産を管理するアセットマネジメント事業を目指す。また、来年をめどにエネルギーファンドの組成を行うファンド事業を立ち上げるほか、将来的には他のエネルギー・インフラ分野へのサービス拡大を目指す。
三菱UFJリースはこれまで、「モノ」の特性や「事業性」に着目しながら、リースやファイナンスなどに付加価値をつけたESCO事業や資産管理サービスなどを提供してきた。同社は、こうしたファイナンスに付随したサービスに加え、ビジネスモデルをさらに発展させ、「金融と事業を融合した新しいビジネス」の展開を目指している。再エネ向けのアセットマネジメント事業はその第一弾との位置づけという。