すすセンサー
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検知部の拡大写真
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 ディーゼル車の排ガスに含まれる「すす」を走行中など試験時以外にも測定できる車載センサーを京セラが開発、2017年に製品化する。ディーゼル車のすす排出量は、欧米など多くの国・地域の排ガス規制でPM(微粒子)量の上限として規定されているものの、日常の走行時には測定されていない。このため車両に搭載しているPM除去フィルター(DPF:ディーゼル・パティキュレート・フィルター)が機能しなくなっても、これを排出量から検知することはできていないという。

 現在のところ、すすを継続的に測定できる車載対応のセンサーは量産できていない。このため排ガス中のPM量を測定することでPMフィルターが機能していない状態を検知する規制の実施が、規制地域においても先送りになっているという。また現行の規制では、多くの車両が備える自己診断機能(OBD)でPM除去フィルターの故障を発見するため、すす排出量の規制値が定められているが、すすセンサーがないために活用されていない状況にある。

 今後、ディーゼル車の排ガス中のすす規制が施行されると、規制地域のすべてのディーゼル車にすすセンサーの搭載が義務付けられる可能性がある。ディーゼル車に対しては、ドイツVolkswagen(VW)社の不正発覚を機に規制強化についての議論が沸き上がっており、今回のセンサーの開発は規制化の動きを後押しする材料にもなりそうだ。