京セラは、昨年7月にハンファQセルズジャパン(東京都港区)を相手に東京地方裁判所に提起していた特許侵害訴訟を10月6日付で取り下げたと発表した。

 京セラが侵害したと主張していた特許は、結晶シリコン型太陽電池セルの表面に、3本の太い電極(バスバー)を形成した「3本バスバー電極構造」に関するもの。京セラの訴訟提起を受け、ハンファQセルズジャパンは昨年8月に全面的に争う姿勢を明確にしていた。

 今回、京セラとハンファQセルズジャパンは、京セラが保有する「3本バスバー電極構造」に関する特許と、両社が保有するその他の特許に関し、将来的な相互利用に関する実施許諾契約(クロスライセンス契約)を締結した。これに伴い京セラは、特許侵害訴訟を取り下げ、両社との間で和解が成立した。

 京セラは、「今後は、両社が保有する特許を有効活用し、より魅力的な製品の開発に取り組んでいく」としつつ、「今後も知的財産権を重要な経営資源と位置付け、ソーラーエネルギー事業を強化していく」とのコメントを出した。

 一方、ハンファQセルズジャパンのキム・ジョンソ社長は、「今回の合意は、互いの技術力を高く評価し、太陽光業界のさらなる発展に向けて協力していこうという同じ思いをもって実現した」とのコメントを発表した。