ルネサス エレクトロニクスは、車載情報システム向けSoC「R-Car」の新製品として「R-Car W2R」を開発した(ニュースリリース)。車車間や路車間通信(V2X:Vehicle-to-Everything)向けのSoCで、RF、物理層、データリンク層を1チップに集積する。

新製品の概要 ルネサスのスライド。
新製品の概要 ルネサスのスライド。
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R-Carを拡充 右端は吉岡真一氏。日経エレクトロニクスが撮影。スクリーンはルネサスのスライド。
R-Carを拡充 右端は吉岡真一氏。日経エレクトロニクスが撮影。スクリーンはルネサスのスライド。
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 新製品は、欧州と北米のITS(Intelligent Transport Systems)向け通信規格「IEEE 802.11p」に準拠した5.9GHzの通信に対応する。日本のITS周波数である760MHzに対応する製品の開発を進めており、「別途発表する予定」(同社)である。

 新製品のサンプル出荷は2015年10月1日から始める。サンプル価格は3000円/個(税別)。量産は2016年12月より開始し、2018年12月に月産5万個の出荷を計画している。

 2015年9月29日に東京の本社で開催の記者説明会に登壇したルネサスの吉岡真一氏(第一ソリューション事業本部 副事業本部長)によれば、当初R-Carは専ら汎用的な製品を供給していた(R-Car H/M/E)。最近は特定用途向けの製品も展開している。これまでに周辺監視向けの「R-Car V2H」(日経テクノロジーオンライン関連記事1)と車内カメラネットワーク向けの「R-Car T2」(同関連記事2)を発表した。今回は第3弾になる。