図1 GeoSが解いた、SATで出題された幾何問題の例 (図:AI2/University of Washington)
図1 GeoSが解いた、SATで出題された幾何問題の例 (図:AI2/University of Washington)
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 米University of Washington Computer Science&Engineering DepartmentとThe Allen Institute for Artificial Intelligence(AI2)は、日本のセンター試験に相当するSAT(Scholastic Assessment Test、大学進学適性試験)の幾何学の問題を解くAIシステムを開発したと共同で発表した。正解率は49%だった。これは米国の高校2年生の正解率の平均値と同等だという。

 AI2などが開発したのは「GeoS」と呼ぶシステム(AI2の関連ページ)。AI2の開発プロジェクト「Euclid Project」の成果であるという。GeoSは、学生向けに自然言語で書かれた問題をカメラを通して読み取り、コンピューターが理解可能な表現に翻訳。それを基に問題を解いて出力されるいくつかの解答の中から、回答の選択肢に合致しているものを正解とする。

 AI2によれば、GeoSの開発で難しかったのは、幾何の問題には「問題文に明示されていない仮定」が多く含まれていることだという。例えば、図1(a)であれば、BDとACが点Eで交差していることなどだ。

 AI2などは今後3年以内にGeoSを、SATにおける数学全般の問題が解けるようにする計画。これとは別に、科学全般の問題を解くAIを開発する「Aristo Project」も進めているという。