合計出力850MW以上分のメガソーラーに納入
合計出力850MW以上分のメガソーラーに納入
(出所:ABB)
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連系設備や自動化システムまで一括で受注
連系設備や自動化システムまで一括で受注
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 スイスの重電大手のABBは9月15日、インドの太陽光発電事業者に、合計出力850MW以上分のパワーコンディショナー(PCS)などを納入すると発表した。

 PCSのほか、連系設備、自動制御システムなどを一括で納入し、受注額は1800万米ドルとなる。

 発電設備を統合して設計し、一括納入する「ターンキーソリューション」として供給する。発電設備から連系設備まで、設計、納入、設置、試運転を担うとする。送電網に連系するための、230kV対応の変電設備2基、110kV対応の変電設備3基も納入する。

 納入する合計出力850MW以上分のメガソーラー(大規模太陽光発電所)は、インド南西部のカルナータカ州(Karnataka)、東部のタミル・ナードゥ州(Tamil Nadu)、南東部のアーンドラ・プラデーシュ州(Andhra Pradesh)に建設される。世界最大の太陽光発電開発プロジェクトの一つになるという。

 メガソーラーを開発するのは、インドAdani Group社である。このうち、最大規模となるのは、タミル・ナードゥ州のカミューティ(Kamuthi)に建設する出力648MWとなる。

 ABBは、メガソーラーの運用効率を最大化し、送電網への連系を最適化できるとする制御技術「Symphony Plus」を供給する。PCSやソフトウェアを組み合わせて、発電状況の監視を始めとする、統合自動制御プラットフォームとして機能するものだとしている。

 監視制御システム関連の規格である「IEC 61850」に基づく自動化システムとし、あらゆるものをインターネットにつなげる「IoT(Internet of Things)」の応用だと強調している。

 ABBによると、インドは晴れの日が年間約300日に達するという、太陽光発電に向く国で、理論的には全土で約5000兆kWhの年間発電量が可能である。発電効率が10%程度の低効率な太陽光パネルを使ったとしても、2015年の国内の電力需要の数千倍に相当する量の電力を発電できる潜在能力があるとしている。

 ABBは、インドのメガソーラー向けの実績が豊富にあり、2015年初には、インドへのPCSの出荷が累計2GWに達した世界初の企業になったという。